またまた参加しました、ビール女子編集部イエノミのオンライン醸造所見学。
今回は石川県金沢市の
オリエンタルブルーイング - Oriental Brewing -
さん。
実は、昨年、金沢に旅行にいったのですが、滞在中2回ほどこちらのお店に行こうとしたものの空振りした思い出のブルワリーです。
その当時まだ名前を知らなかったものの、ひがし茶屋街付近を歩いていたら良い感じのクラフトビール店を発見!(こういう点については、異様に嗅覚がききます)
飛び入りで入ろうとしたら、満席で断念しました。
その翌日、今度は香林坊店のほうへ行こうとしたら、こちらもやはりいっぱいで断念。
人気のあるお店なんだな~という印象でした。
(ちなみに私のプロフィール写真は、金沢の地ビールが飲めずに、近江市場でなぜか富山の城端麦酒を飲んでいるところ)
ですから、今回リベンジとも言える参加となりました。
ビールリスト
今回送られてきたビールは5種。
『湯涌ゆずエール』
金沢市湯涌温泉地区の「金沢ゆず」をたっぷり使用。
『加賀棒茶スタウト』
金沢伝統の加賀棒茶を使用し、
『シングルホップシトラ』
金沢の軟水で仕込み、華やかな香りと軽やかな苦み、
『きまビール』
無濾過非加熱のフレッシュなホワイトエール。
『UNITE』
限定ビール。ビアスタイルはアメリカンIPA。
金沢らしい副原料をつかったビールも多く、飲むのが楽しみなラインナップ。
例のごとく、個別のレポートについてはまた別記事で。
これに、シェフ特製の「赤イカのアヒージョ」がついてきました。
釣り好きのシェフが自ら釣った赤イカと、ご実家産のにんにくを使用して作ったというおつまみ。
オンラインイベントながら、手作りのものが食べられるなんて嬉しい!お味のほうもとても美味しかったです。
おまけでオリジナル栓抜きもついてきました。
雨の多い金沢を象徴する和傘をモチーフとしたロゴ、お洒落です。
今回のつまみはこんな感じで用意。
赤イカのアヒージョは右下です。
オリエンタルブルーイングについて
今回参加されたスタッフは3名
代表の田中さん、シェフの田島さん、醸造長片山さん
田中さんと田島さんは香林坊店から、片山さんは湯涌醸造所から、それぞれオンライン中継です。
オリエンタルブルーイングの設立は2016年3月
元々東京でコンサルタントとして働いていた代表の田中さんが、5年前に旅先でビールに目覚め、結婚を機に地元金沢に戻ることになり、4年前に創業したそうです。
その年の8月に東山店を開店。
2017年 香林坊店 開店
2019年 金沢駅店 開店(金沢駅にもお店が入っていたのは知りませんでした)
同年、湯涌醸造所 稼働
そして今年の8月、金沢市のハイアットセントリックホテルにこれまでとは違ったラインの店舗として「Bistro Oriental」をオープン予定!
直営店はチキンやポテトなどカジュアルな料理を提供しているのに比べ、こちらの新店舗では、地元産の魚やお肉、野菜を使ったメインで食べられるような料理を提供予定とのこと。期待が高まります。
シェフによるペアリング解説
シェフ田島さんが、ペアリングのポイントを説明してくれました。
右が代表田中さん、左がシェフの田島さん
①色と合わせる
スタウト(色の濃いビール)には、同じく色の濃いチョコレートや煮物、デミグラスソースを使った料理などが合う
②国や地域で合わせる
ビールは、やはりその産地である国や土地の食材と相性が良い
オリエンタルブルーイングのビールであれば、金沢の野菜や魚
③味つけに 寄せるor真逆
寄せるのは分かりやすいが、真逆もあり。
例えば、あっさりしたビールでこってり系の料理を洗い流すとリセットされ、次にいきやすい等。
ビールごとのペアリング
おすすめは以下のとおり
『湯涌ゆずエール』:おでん、鍋物など少しあっさりしたもの。ゆずの香りがだしを引き立てる。
『加賀棒茶スタウト』:甘すぎず、後味すっきりのスタウトなので、油っけと甘味のあるものと相性〇。アイスクリームやチョコレート。
『シングルホップシトラ』:ポテト、ナッツ。
『きまビール』:和食全般。魚の煮つけ、煮物、天ぷらなど。
『UNITE』:苦いので、香辛料の強いものなど。フライドチキン、ピザ。
なお、田島シェフのお手製赤イカのアヒージョは、油気のあるイカの甘味を引き立たせる「シングルホップシトラ」とのペアリングがおすすめだそうです。
一緒に食べてみたら、確かに、繊細な味が引き立って抜群の組み合わせでした!
醸造所見学
醸造長の片山さんが、市内から離れた山手の湯涌地区にある醸造所から、工場の案内をしてくれました。
これがすごく丁寧で、ビール造りの工程が分かりやすかった……!(感動)
手書きのフリップを持っての解説に、真面目な人柄が伝わってきます。
自然豊かな場所にある醸造所は、2階が仕込室、1階が発酵室。
注目ポイントとして、壁の色が、温度が高くなる2階は赤、ビールを冷やすため温度が低くなる1階は青く塗り分けられていました。
赤を基調とした仕込室
ビールができるまでの工程
仕込
麦芽から麦汁を造る
①麦芽粉砕 麦芽を砕かないとでんぷんが溶けないので、粉砕する
②マッシュイン 「マッシュ」とは麦芽と水の混ざったもの。日本酒でいう「もろみ」。そのマッシュを糖化釜に移動。
③糖化 60~80℃で3時間。マッシュを糖化。
④濾過 濾過釜に移動。濾過工程が終わると麦芽のかすが出るので、水気を絞って地元農家さんで再利用しているそうです。
⑤煮沸、ホップ投入 オリエンタルブルーイングではこの煮沸とワールプールの作業がひとつの釜でできる!
⑥ワールプール 高速でビールを撹拌し、クリアで透き通ったビールにする
発酵
酵母を加えて発酵。アルコールと炭酸が発生。
⑦冷却、タンク移動 熱交換器で冷却してタンクに移動
熟成、貯蔵
2~3週間寝かせる
充填
瓶詰作業
出荷
青い壁の発酵室
こんな話がありました
・タンク上部のバルブ
オリネンタルブルーイングで使用しているタンクには、上部に10kg以上ある巨大なバルブがついています。
これは、発酵が終わるくらいの段階でホップを入れるため。
こうすることでホップの香りが強く残るのだそうです。ゆずや棒茶などの副原料もこの段階で投入。
大きい!
・ホップ栽培
ホップの自家栽培もしていて、ナゲットとカスケードの2種を作っているそうです。
ナゲットは特殊な苦みをつけるのに用いられ、加賀棒茶スタウトに使用。
フレッシュホップのビールを造る構想があるそうで、楽しみ!!
左がナゲット、右がカスケード
・瓶と缶と樽の違い
フレッシュさで言うと樽>瓶>缶
クラフトビールは元々お土産から始まっているので、瓶がつくりやすかった。
ラベルを貼りかえれば使い回せるので、少量多品種に向いているのは瓶。
・デザインのこだわり
オリエンタルブルーイングは市内50店舗の飲食店で取り扱いがあり、中には寿司屋や割烹料理などの「良いお店」もある。
「ビールは主役じゃなくていい」という考えのもと、邪魔にならないシンプルなデザインの瓶とラベルを使用。
・きまちゃん
金沢市の石浦神社という由緒正しい神社の神主さんが、ビール好きで、ビール造りの応援をされているそうです。
そこから造られたのがきまビール。
今回送られてきた段ボールがきまちゃんデザインで、とても可愛かったです。
まとめ
個人的には、念願のビールが飲めて大満足の回でした!
金沢は食べ物も美味しいし、また行きたい場所なので、今度はお店に飲みにいきたいと思います。
予約を忘れないようにしないと。
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