人見知りである。
大人になったら克服できるのだと信じ続けてこの歳になったが、自動的に治るものでもないらしい。
そんな訳で、普段は一人の気ままな時間や気心の知れた人たちとの時間を好む私だが、飲み屋のカウンターは意外と好きだ。
一人の時間とお酒を楽しむ同志たちの存在は心強い。
ほろ酔いになってくると、初対面の店員さんや隣の人との話も何となく楽しくなってくるから不思議だ。
先日も、隣の席に座っていた女性に話しかけてみたら、偶然にも私の出身地の良い飲み屋情報を聞くことができた。
飲兵衛の世界もそこそこ狭い。
彼女は用事を済ませた帰りのわずかな時間に、久々に店に立ち寄ったらしい。
仕事も子育ても頑張りながら、自分の羽を伸ばす時間もちゃんと確保しているのが素敵だなぁ。
常連なのかと思いきや、半年ぶりとのこと。
その割に店員さんと親しいな……と思って事情を聞くと、その豪快な飲みっぷりで、忘れようにも忘れられない記憶に残る客となっている様子。
カウンターでは、わずかな時間に様々な人生を垣間見られる。
お酒や食事が一番の目当てではあるが、そんな楽しみ方もある。
それでもやっぱり、店を出れば相変わらずの人見知りに戻るのだけど。